事件屋稼業

気持ちに素直に日々を書いていきます

電通新入社員自殺について〜“地下室の手記”

そうなんだよなー、と思うことがこの記事に書かれていました。

「広告業界という無法地帯へ」 - 月刊ショータ

この箇所です。

いいですか、恐ろしいのは電通でもNHKでも安倍政権でもない。どこにでもいる普通の人たちだ。自分の存在意義を誇示するがために、他人の時間を奪うエライさんだ。自分の身がかわいくて、上司からの無理難題をそのまま下請けに押し付けるサラリーマンだ。それを唯唯諾々と飲み込んで徹夜してしまう労働者たちだ。

一方で、こんなことも書かれていました。

電通はちがう。もっとくだらなくて、どうでもいい仕事じゃないか。それに命を懸けているフリをしないと仕事を獲得できないインチキな仕事なだけじゃないか。

広告代理店の仕事がどうでもいい仕事なのかどうか、僕にはわからないのですが、手段・プロセスの目的化というか、ただ「命を懸けているフリ」をすることだけが自分の仕事と認識した時、それは「穴を掘っては埋める」だけの作業になり、人の精神と肉体を圧迫していくのだと思う。

自分の選択で自由に活動していれば人間の心身は病まない、というとメンタル系の健康法みたいに聞こえますが(それ自体も、否定するものではないですが)、そういうものなのかもしれません。

昔は僕自身も「ストレスに応じてお金がもらえるんだ。逆にストレスがなければ仕事じゃないし意味がない」などと人に言ってたことがありますが、それは全くの間違いですね。本当の仕事は、自分自身も価値があると思うことであって、根本的にストレスとは無縁のものなのだと思います。(その周辺にストレスが発生することがあっても)

それはそれとして、亡くなった社員の方のTwitterやらを取り上げて何かと取りざたするのは悪趣味ですね。世の中にはいろんな意見を持った様々な人が現存するのですから、そういうやり取りは生きている人間同士でやればよい。それならば、なにがしかの相互作用を生む可能性も(少しは)あると思うので。

でも、大概の場合、それも「穴掘って埋めるだけ」の作業と変わりはないかもしれないです。